各部署紹介

院長挨拶

隠岐島前病院 院長 黒谷一志

 隠岐諸島は島根半島から北東へ約50-80kmの日本海に浮かぶ群島型離島です。

 島前(人口 5,585人: 2021年3月末現在)と島後(人口13,666人:2021年3月末現在)からなり、本土の境港または七類港からの所要時間は、フェリー(1日2〜3便)で2.5〜3時間、高速船(1日1〜3便、12/21〜2/15休航)で1〜2時間(経路による)です。島前と島後はフェリーで70−80分、高速船で30−40分、最短距離で約15km離れています。

 島前は西ノ島(西ノ島町2,739人)、中ノ島(海士町2,205人)、知夫里島(知夫村641人)の3つの有人島からなります。

 対馬暖流に洗われる西海岸に高さ200〜300mクラスの断崖絶壁が続き、西ノ島の国賀、知夫の赤壁などは、日本有数の海岸景観を誇ります。また海士には後鳥羽上皇、西ノ島には後醍醐天皇・文覚上人の遺跡や伝説が残る「太平記」の島です。

 島前の3島には開業医がなく、医療機関は各島にそれぞれ町立浦郷診療所、町立海士診療所、村立知夫村診療所があります。そして3島の中核的医療機関として、1982年に島前町村組合立島前診療所が設立されました。1999年9月隠岐広域連合発足に伴い隠岐広域連合立島前診療所となり、2001年3月増改築により隠岐広域連合立隠岐島前病院となりました。現在、島前地域で入院可能な施設は隠岐島前病院の44床だけです。

 隠岐島前病院は、常勤医師8名が全員総合医で、複数制をとりながら、内科、小児科、外科外来を行っています。産婦人科、耳鼻科、眼科、精神科,整形外科のパート診療を行い、標榜診療科目は合計8科目です。

 近隣の浦郷診療所、隣島の知夫村診療所とは医師が相互に行き来する地域医療支援ブロック制を敷いており、離島勤務の孤独感やストレスを軽減するとともに、地域全体を複数の医師でカバーできるよう勤めています。また、病院と各診療所間でカルテ情報が共有できる体制にしており、緊急時や医師不在時にも医療情報が途切れないよう工夫しています。また、西ノ島町は高齢化率44.6%(2021年3月末現在)と介護の問題も避けて通れず、関係諸機関と連携をとりながら、保健医療福祉として一元化したサービスを提供できるよう取り組んでいます。

 診療機器は上部下部内視鏡、デジタル透視、レントゲン、16列ヘリカルCTを備え、さらに当院の最大の特徴として、ハイエンドエコーからポケットエコーまで充実した超音波装置を備えています。

 今後も島前の住民の皆さんが安心して過ごすことができ、そして職員一人一人が楽しくやりがいをもって勤務できる病院でいられるよう、努めてまいります。日ごろからの当院の診療へのご理解、ご協力に感謝を申し上げるとともに、引き続きのご支援をよろしくお願い申し上げます。

隠岐島前病院 院長 黒谷一志

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